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この写真を見て下さい。
これは、後ろ側のプーリーで
メーカによって言い方は違いますが
ドリブンフェイスとか言われています。
早い話が「クラッチ側のプーリー」ですね。
何が変かといいますと、実はこのスライダーのガイドが
削れていて引っかかりが出来ていたのです。
赤の線が、少し外側(写真では左側)に削れているのが
判りますでしょうか?
(ピンボケでわかんない? すみません) |
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この削れによって、何が起きたかというと
キックダウンしにくい状態になっていたのです。
で、左のようなパーツ群(大体\8,000-)が必要になりました。
クリックすると大きな画像が出ます。
必要な人は、パーツ番号を控えて下さい。
あ、グリスシールドは治具が必要なようです。
私は無理してはめてしまいました。(^^;
なぜ、こんなところから話を始めたかというと
実はここにポイントが隠されているからです。
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既にご存じのように、変速は
前後のプーリーの力のバランスによって起きます。
前方(左の図では左側のプーリー)は、
ウェイトローラーの遠心力。では、後方は何でしょうか?
私は、最初
「遠心力とコンプレッションスプリング」
と考えていました。
もし、そうだとすると作業台(整備スタンド)上でも
同じ結果が出る、
と考えたのです。
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つまり、この予想をグラフにすると
こんな感じでしょうか?
コンプレッションスプリングは一定。
遠心力はエンジン回転によってのみ決まる。
だから、負荷がかからない作業台でも同じ事になる。
クランクケースカバー(実は、駆動系のカバーのこと)
を開けて、ウェイトを取り替えながら
7000rpm付近で変速するように試してみます。
そして。。。
上手くベルトが動くウェイトは驚いたことに
なんと 3g X 6 !!
「いくら何でも、こんなに軽くて良いのかぁ?」
もちろん、実際に走らせようとしたときには、
エンジンだけが唸りを上げて全く進みませんでした。(^^;
たぶん、下の方の変速域になってしまっていたのだと
思います。
どうも、おかしい。
遠心力とスプリング以外の要素があるはず。。。
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とにかく、試行錯誤でウェイトを少しずつ変えていき
たどり着いたのは 約6.0g X 6
どうして、こんなに違うんだろう?????
作業台の上でクランクケースを開けて回してみる限り
4000rpmに達する前に変速は終わっているのです。
悩みました。。。
で、とりあえず食事をして、あれこれ考えるが判らない。
もう、工具は放りっぱなしの状態です。
しかし、、、食事が終わってもう一度試してみると
今度は8000rpmまで変速しないのです。!!
おお!やっと理論通りになった!
と喜んだのですが
「じゃぁ、さっき唸りを上げたエンジンは何?」
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あれこれ考えてみたのですが、わからない。
そして・・・・
思わず「あっ!」と声を上げてしまいました。
さっきから何度もプーリーをはずすために使っていた
工具がブレーキワイヤーを引っ張っていたのです。
そして、その工具を払いのけて実験。
確かに4000rpmで変速しきります。
「そうか。。。負荷がかかると変速しないんだ」
「だから、乗車状態では重いウェイトが必要になって、作業台では
3g X 6 ・・・」 |
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