レースのスタート直前のグリッドは、チーム全員で記念撮影などをして和気あいあいとなる。
しかし、その場には私はいつもいないのだ。そう、選手紹介やらなんやらのスタート進行は私に任されているからである。
一旦頭を切り換えて、過去のレース状況などを交えながらチーム紹介へ進む。
今年もスタートドライバー[2]は尊師杉山[3]に任せる。FK9[4]とSUGO[5]と安定が必要なスタートは彼しかいないのだ。
レースのスタート方式は、カートにはあまり無いスタンディング式。グリッドからシグナルによってスタートするF1方式なのである。そのために、クラッチがないKT100[6]のマシン[7]は最後方から押し掛けでスタートすることになった。
まずは、グリッド整列からフォーメーションラップがスタートする。本来は、KT100[6]のマシン[7]は、フォーメーションラップをしなくても良かった。それは、もう一度グリッドに付いた時点でエンジンがストールしてしまって再度押し掛けが必要になるからだ。しかし、何を思ったのかスタートドライバー[2]押し掛けを始める。
が、ここでとんでもないことが起きてしまう。そのKT100[6]のエンジンが掛からないのだ。最後方グリッドから1コーナーまでトライするが掛からない。今更グリッドに戻すわけにもいかず、ピットスタートの指示を出した。
レースは、予定より若干遅れてスタート。トップの2台がダントツの速さを見せる。KT100[6]のエンジンにも火が入った。が、ここで前代未聞のトラブルが起きてしまう。レースが3週目に入ったところで、計測装置がレースモードではなく、タイム計測モードになっていることがわかったのだ。
通常、レースモードでは、通過順に順位が表示されるが、タイム計測モードではラップタイム順に順位が表示されてしまう。途中切り替えできないのを確認して、レースの中断を通達する。
普通の20周ぐらいのレースの場合は、そのまま進行させて手記入の順位を結果として出すこともある。が、今回は、これから8時間あるのだ。これはどう考えても無理なことである。
赤旗中断して、選手・チームに事情を説明。燃料補給など全てを禁止して、レース自体は全く最初からのやり直しとする。
今度は綺麗なスタートがきれた。良いスタートを切ったのは、トップの2台はもちろんだが、なんとレンタルマシン[7]で参加しているRQチーム#33 Team Blue Mountain の事務局長が気合いのスタートを切ったのだ。ウチのマシン[7]の杉山#93も良いスタートだったのだが、1コーナーでノーズを入れてきた。辛うじてアウトから交わしたのだが、背後に迫ってきた。8時間の戦いが今始まった。
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