新々Tackmixブログ - オフィシャル側の立場として
もうあちこちで書いているF1 USA-GP についてですが、
ここでは別の視点で私の過去の経験を書いてみます。
Q!!Maruカップの初期の頃
最後の車検で、入賞車両につまらないミスを発見しました。
駆動系の部品で、クランクシャフトにプーリーを止めるときに使う皿ワッシャ
(凸状のスプリングワッシャ)が逆さに付いていました。
レギュレーションには、取り付け部品の方向や数は変更してはいけない、としていましたので
厳密に適用してしまえば、合致していない車両になってしまいます。
しかし、このミスによってアドバンテージを得ることは不可能ですし、
逆にマシンにとって危ない状況になってしまうわけです。
ですから、これを「私個人として解釈した場合」は、ただの注意で済ます話でした。
ただ、あのとき私は車検を「公開」でやっちゃったんですね。
(今考えると、これは私のミスでした。)
それで、このパーツのことが他の選手にも明らかになってしまい、私の単純な裁量では
決定できなくなってしまったのです。
つまり、どうでも良いパーツの(あ、パーツとしてどうでも良い機能ではないんですが)
どうでも良い解釈が出来ちゃう、結果に関係のない部分ではありながら
レギュレーションの定義としては、問題になってしまうもの。
これを「こんなのどうでも良いパーツだから」と言ってしまったら、レギュレーション運用側としては
レギュレーション自体の意味が曖昧になってしまうわけです。
それで、全選手に事情を話して「車検クリアとしようと思うのだがどうか?」と提案しました。
このとき、私の立場としては「全選手の説得」ではありません。
誰か一人でも「それはダメだ」と言われたら、その通りにするつもりでした。
一部では、私がこのパーツの取り付け方法を問題にした、と受け取られているようですが
それは若干ですが意味が違っています。
真意はこのようなものです。
レギュレーションの解釈と運用、これはいつも問題になります。
それは、様々な立場が独立していて歩み寄るポイントが一致していないからでしょう。
前述のケースでも、順位に拘れば失格だし、意味に拘れば問題なし。
主催者の立場とすれば、拡大解釈の運用をすると、そのレギュレーションの意味が揺らぐ。
かといって、杓子定規な運用も本質から外れる。
こんなことが、オフィシャル側には常に付いて回っています。