新々Tackmixブログ - MIDIの前・・・ついにMIDIへ
さて、前回のおさらい。。。。
「私がバレエ教室の音楽を作るためには、肉体の訓練が必要だ」
っていう壁にぶち当たってしまったわけです。
音として、違いは判るけれども体で再現できない。
体でも感じられない拍がある。
これを克服するにはどうしたらいいか????
一つは、マルチトラックを使って原曲を1トラックに録音して、
忠実にその音のタイミングをなぞること。
または、OKテイクのタイミングを保持して、音色を変えること。
これは、肉体での再現は不可能だと思い、
ならばOKテイクのタイミングを機械に入れて音色コントロールをしよう。。。
これが、私のMIDI導入のきっかけだったのです。
実はこれが、思っていた以上に大変でした。
例えば、音は「拍」というか「実体」として感じられる部分と、
実際の発音タイミングは一緒ではありません。
太鼓やピアノなどアタックの強い音は一緒の場合が多いのですが
ストリングスや笛などのスローアタックの音は、実体は後ろの方の場合が多く
人間が演奏する場合は、それを無意識に合わせて前のめりで演奏しているんです。
笛の音で「ヒョォォォー」っていう音があったとして、
実際のアタックは「ヒ」ですが、実体として聞こえるのは「ョ」からなんですね。
そうすると、機械でもそのタイミング分だけ前のめりで演奏する必要があります。
信号の遅れはさほど気にならなかったのですが、こういう音の重なりを気にして
オーケストレーションしていくと、もう大変なデータになってしまいます。
全員で音を「ジャン」ってやるときとか、今度は意識的にずらしたりして
何度も聞き直しながらデータを作ります。
これらを体験すると、音符の表記ってかなり限られた情報しか伝えられないんだ
ということが判ります。
そういう意味では、リズムもものすごく複雑で、
日本人ではなかなか拍が取れている人は少ないんですよ。
もうちょっと続くかな?