新々Tackmixブログ - MIDIの前・・・それでも続く
何が原因で、私がMIDIを使うようになったか?
正確に言うと「使わざるを得ない状況」になっちゃったんです。
これは私の音楽に対する考えを一変させる出来事だったんですが・・・・
ある時、バレエ教室に通っている人と知り合いになりました。
あ、踊る方のバレエでバレーじゃなくてね。
その人から、音楽についてちょっと頼まれて欲しいと言われました。
その時の依頼は、ストレッチ体操のためのメトロノーム代わりの音。
ドラムマシンの連続音と、YazのDon't Goって曲のつなぎでした。
わたしにとって、バレエは白鳥の湖とかのクラシックバレエしか思い浮かばなかったのですが
そのバレエ教室ではクラシックバレエのためにいろいろな踊りを習っていたのです。
ここは、すごく大事な部分で「バレエの振り付け」ではなく「バレエの踊り」のためなんです。
そこで、自動演奏の話題になって、ドラムマシン(Sequential TOM)のMIDIトーンで
借り物のMIDIキーボードを鳴らしてみせたんです。
これに先生は興味を持ったんです。
この時、私は気づいていなかったのですが、先生は自動演奏の音ではなく手法にヒントを得たようでした。
私は、その後バレエ教室の発表会のために音楽制作を依頼されました。
民族音楽的な踊りの曲のシンセによる再録音です。
軽い気持ちでOKしたのですが、これが大変なことになってしまいます。
まず、渡された元楽曲の音の悪いこと・・・
遠くでピアノが鳴っているのをダビング5回ぐらいやった音なのです。
ああ、これは汚いな。。。音もきちんと取れないかも。。。
やっとの思いで音を拾って、手弾き多重録音開始。
できあがりには、ある程度満足していた私。。。しかし、簡単にダメ出しされました。
何故か?
私の弾いた音は、私の感情で弾いているわけです。(つまり、歌っちゃってるのね)
これが踊りのタイミングと全く合わないらしいのです。
例の酷い音の元楽曲は、踊りを10年以上やってからピアノを習った人の演奏。
つまり、私にヒントを見つけなければ、その酷い音で発表会をするつもりだったと。
音は悪いけど、踊りの音としては最高なのだと。
そして、それはバレエの世界では当たり前で、音質よりも「拍」を優先する、と。
私は頭を抱えてしまいました。
私がいくら必死になって踊りを見ても、その拍がわからない。
困ってしまった私は、4トラックのレコーダーの1トラックにその原曲を録音して
その1トラックを1/2スピードで聴きながら演奏して録音するという暴挙に出ました。
しかし、この時5曲やったうちの2曲は完全に機械の拍でやることが出来た曲。
のこりの3曲はそんなやり方で、音のアタックとかリリースとか全てコピー。
死ぬほど大変だった録音でした。
「タイミングはいいんだけど、音色が嫌い」とかいわれながら。
ここで、判ったのです。
そうか・・・・私が手弾きでこれらの曲をきちんと演奏するためには、
同じように10年以上踊りを勉強しないと無理なんだ。。。。
でも、そんな時間はないよ・・・・ああ、、、そうか・・・と。
つづく