新々Tackmixブログ - 畳のお仕事
正直言って、私は畳職人ではありません。
ウチの父も畳職人ではなかったと思います。
祖父は畳職人の親方みたいな人で(といっても、あまり記憶がないのですが)
よく「先生」なんて言われていました。
私の記憶が曖昧なころ・・・つまり、物心付くかどうかの頃なのですが
そのころにうちの工場ができあがりました。
今でこそ車で30分ぐらいの距離ですが、当時は相当遠く感じたことでしょう。
昭和47年には、工場も大きくなっていて、機械が6台ぐらい入っていたんじゃないかな?
そのころは、子供ながら機械を運転させたりして楽しんでいました。
今の機械と比べたら雲泥の差なんだけど・・・
あのころの工場は面白かったですよ。
機械を使っているのに上手い下手が出ちゃう。
そう、今の機械はコントロール部分が頭でっかちになっちゃっていて
ただ単にアイディアの詰め込みだけ。
それでいて、目指すところが高効率。
これは違うよね。
畳だろうと何だろうと、完成型っていうのがあって、それを目指さなきゃ
必ず品質は落ちていく。落ちていく品質に気を配りたいから手の作業を自動化する。
ところが、自動化するために人にストレスを与えている。
でもね、こういうと、勘違いしちゃう人が出てくる。
「機械は道具になりはてちゃ駄目だ」
そりゃそうですよ。
「何のための道具か?」っていう立脚点が違う。
畳を作るための道具としてだけ考えたら、楽な方法は他にもあると思う。
だったら、こんなややこしい道具はいらない。
それが見えていないと使いやすい機械はいつまでたっても出てこない。
「どうやったら楽に作れるか?」ではなくて「どうやったら楽に使えるか?」
そうすると、結果として「楽に作ってしまう」んですよ。
まだ、畳産業の機械は発展途上です。