ホリーたたみのレースリポート
98 Q!MARU SPECIAL CUP In SUGO 第2戦 1998年6月14日
6月の不安定な気候の中第2戦が行われる。今回は、レンタル参加者も多く、エキスパートクラスには3台の無限90、初参加は5台という盛況ぶりだ。
無限90を擁して参加のRT-マット・スターは木曜日にテストを行っており、好感触を得られたようだ。前回優勝の堀籠(チーム久美&畳のほりごめ)は2年半(!)使用したレインタイアを新品に替えて、雨に備えている。昨年の雨のレースを制した佐田(マジカルささきRT)も本命だろう。
土曜日は、あいにくの雨。堀籠はすっかりやる気をなくしている様子。この日は走らずじまい。ピストンの交換と、ポートのカーボン除去を行ったようだ。練習走行で良いタイムを出したのは耐久キングの大坂(サタデーナイトフィーバー)。明日に期待が掛かる。
6月14日 やはり雨が降っている。各選手が雨対策に忙しい。
フリー走行では、堀籠はエンジンの慣らしをかねて、タイアの皮むきを行っている様子。雨の菅生がはじめての選手も多く、各選手とも数多く周回を重ねたようだ。
タイムトライアルでは、コースを知り尽くしている佐田が良いタイムを出している。千葉(畳のほりごめR)はグリップ不足に苦しんでいる様子。堀籠は、エンジンが不調らしくタイム以前の問題のようだ。終了5分前になってトップに躍り出たのは、加藤(RT-マット・スター)、それを見た佐田は最後のアタックに出る。結果0.335秒差で佐田がトップタイムを獲得。堀籠はエンジンを騙しながらも4位に付けてきた。チェッカーと同時に最後のキャブセットでコースインしたのが良い感触だったようだ。また、水対策を怠っていたせいか、ノイズボックス内に大分水がたまっていたようだ。これが、5コーナーなどの切り返し(小さいコーナー)で、キャブに水を送っていたのである。対応がはっきりしたせいで、この後のレースには期待がもてる。
予選ヒートのコースインの際、堀籠はキャブセットが濃すぎることに気が付く(これが後々の布石となってしまう)。思った通り、スタートで3台に抜かれ7位でオープニングラップを戻ってくる。同時に新しい駆動系のセッティングがあまりにも低速に行っていたようだ。この時点での順位は、佐田を先頭に加藤、千葉、堺、大坂、鈴木。しかし、2周目で5位、3周目で4位に上がり、ベストラップで1秒以上の差を付けて追いかける堀籠。7周目2位に上がりで佐田の追撃に入る。佐田はフロントのグリップがあまり良くないらしく、どうしてもプロックラインに付けられないらしい。新品タイアの堀籠も何度となくインに入るが、コースを知り尽くしている佐田に抜き返されると言う場面が続く。11周目には、堀籠はついにトップを不動の物としたが、悪夢の13周目。Zコーナーの入り口で痛恨のスピン。ここは、大きな水たまりがあるが、2位で走行しているときは前のマシンが水を押しだすために、トップでの走行とはまるで条件が違う。そこに、タイアを過信してレイトブレーキングで入っていったようだ。結果的に5位で予選を終えた。
決勝に向けて、堀籠は悩んでいた。どうも、回転数が上がりすぎているのだ。ウェイトローラーのセッティングで少しロングにセットし直す。どちらかというと、スタートでの加速の悪さが強い印象として残ってしまっていたようだ。レーススタート。堀籠は、今度は失速しない。グリッドでキャブを調整し直して、少し薄めにしたからだ。
しかし、これが裏目に出る。1周目の13コーナーあたりで、既に加速不良状態になっている。これからの19周全てにわたって右手でチョーキング、左手一本でのドライブを強いられることになってしまった。なんとか、3位までは上がるがそれ以上はどうやっても回転が付いてこない。2秒差まで詰め寄るが、それ以上は無理だった。目の前でのバトルに加わることが出来ずに非常に悔しい思いをさせられた。マシンのグリップ不足に悩む佐田は、なんとか20周を凌ぎきって、雨のレースの2連勝を飾った。