ホリーたたみのレースリポート

Q!MARU SPECIAL CUP In SUGO 第3戦 1997年12月21日

今回の見所は頃はなんと言っても、黒沢琢弥選手の参戦であろう。プロドライバーと同じ土俵で
レースが出来るとはなんと幸せなのであろうか。また、100km耐久というレース内容もさること
ながら、車輌規則の変更があり吸気系でのパワーアップの可能性が出てきた。Team Kumi with
たたみのほりごめレーシングでも事前のテストにて1秒のタイムアップをしている。

12月20日フリー走行
部品の交換をして、テストと同様の状態で臨んだはずなのに、まるでパワーがない。ウェイトロー
ラーを軽量化してみるが、全然変化が見られない。どちらかというと、燃料系のトラブルのようだ。
明日のレースでは、スプリントと耐久にエントリーしているが、スプリントをセッティングに充てて、
耐久へ向けてのマシンづくりをしなければならないだろう。

今回、うちのチームには、以前フォーミュランド仙台で働いていた、91年のSP125チャンピオン、
谷内勝がペアドライバーとして静岡から来ている。昔一緒にマシンづくりをしていた仲だけに、と
ても心強い。

12月21日
全体フリー走行。タイムトライアル。
キャブを交換してエンジンの吹け上がりは、昨日よりはまだマシになった。しかし、中間トルクが
ちょっと足りないこと、またウェイトを軽量化したままだったのでスピードの伸びがない。ちょうど、
変速タイミングがそこの回転数に引っかかっているようだ。また、気温が低く、路面温度も低かっ
たため各マシンはタイムが伸び悩んでいる。ウェイトを若干重くして、早めに変速させて上のパワ
ーを使うこととする。レスポンスは大分改善されたようだ。

スプリント予選。
5番手からのスタートとなった予選。スタートはまずまずだが、FK9-Rのスピードの伸びにどうして
も付いていくことが出来ない。1周目のZコーナーで前の2人がスピン。労せずして、3番手に浮上。
しかし、ここからが苦戦。前を行くFK-9Rのストレートの伸びは圧倒的で、コーナーでつついていく
ものの前に出て並ぶのが精一杯。何度か横に並ぶが、ストレートに出た瞬間に置いて行かれてし
まう。結局は3位でフィニッシュ。しかし、この予選のベストラップはとれた。

スプリント決勝
スタートは上手く決まり、2番手で最終コーナーへ戻ってくるが、ストレートに出たとたんに抜かれて
しまう。「並ばれる」のならばわかるが、「抜かれる」とは。。。。何度かつつくが、結局このスピード差
が勝負を決定づけた。が、しかし4位でフィニッシュするも、結果は3位表彰台。理由は後述。
佐田浩司は前回から2連勝。体は大丈夫だろうか?

耐久決勝
谷内の予選によって、3番手からスタートすることになる。ロングディスタンスは初めてなので、燃費の
計算がちょっとあいまいだ。注目の黒沢琢弥の予選は8番手スタート。決勝でバトルになるのが楽しみ
である。スタート直後、わがTeam Kumi with たたみのほりごめRは千葉号、堀籠号とワンツー体制か、
と思われたが、全日本カーターの矢竹が踏ん張った大坂号がトップに立つ。ドライバーチェンジをして
40周の周回後予定の給油に入るが、燃料があふれ出す。どうやら、ちょっと燃費が良い方向に変化
しているようだ。ここで、一時6番手に落ちるが、各チームもピットインを続け3番手でレースを行ってい
る。ここまでに、調子を悪くさせるマシンが続出。エンジンの始動しないマシン。また、千葉号はピストン
に穴をあける(!)トラブルでリタイア。黒沢の乗るマシンも空燃比に問題がありそうだ。
さて、わたしのマシンは、順調にリカバリを続け、目の前に2位のマシンが見えてきた。相変わらず、スト
レートでは離されるが、何度もプレッシャーをかけ続け13コーナーの出口でオーバーテイク。
その後、谷内、再度私と上手く繋ぎ、2位でフィニッシュすることが出来た。優勝は、耐久優勝請負人の
矢竹、大坂コンビのチームに星を加えた、「人妻クラブ」が1秒台のタイムを出し、全マシンを周回遅れ
にした完璧な勝利であった。
黒沢琢弥選手のチームはエンジンにトラブルを抱えたらしく、10位という不本意な結果に終わった。
しかし、来年は自分のマシンを用意するらしく、再度の参戦を約束してくれた。

雑感
今回のレースで、一番困ったのは車検である。
慣れていないと言う事なのだろうか、持ち込まれたマシンで半分ぐらいが車検に合致していない。
「違反」と言う意識が有るかどうかは、「草レース」という意味では非常に微妙な部分であるが、その改造
によって、自分のみがアドバンテージを「不当」に得ている、ということは気が付かないのであろうか。
また、「車輌規則書」があるので、それをどのようにも言い訳することは出来ないはずである。
まだまだ、参加台数が多いとは言えない大会であるので、その部分を厳しくして行くつもりはない。しかし
「純粋にレースを楽しむ」という趣旨に反するのは事実である。車検で厳しくしていくことは、参加者の負担
も、時間ばかりではなく、それに伴う運営経費がかさみ、結局はエントリーフィーが高くなるのである。
こういった部分の迷惑など、関係ないという事であろうか。。。ローカルルールとか、本音で言えば「知った
ことではない」のである。ただし、多くの参加者に受け入れられるような「規則」にしていくための議論は
大いに結構なことである。それがこの大会の未来を決定づけていくことになるのであるから。
ただ、「規則を守る」と「規則を作る」は、別の作業であることを忘れないで欲しい。